加計呂麻島にある400年の伝統をもつ老舗黒糖工場、西田製糖工場に行ってきた!

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奄美大島の名産といえば、黒糖。
お菓子や料理用の粉糖、そして黒糖焼酎などお土産として様々な形で目にします。
島ではコーヒーなどのお茶うけとしてそのままいただくことが多く、生活に欠かせないお砂糖です。
今回は、製糖工場のなかでも黒糖のみならず、きび酢も製造している西田製糖工場をご紹介します。

西田製糖工場って?

加計呂麻島産の純黒糖

奄美大島最南端の町、瀬戸内町。
市街地の古仁屋からフェリーに乗って加計呂麻島の南側に行くと、佐知克(さちゆき)という集落に到着します。
そこで、ほんのりと甘い香りの煙をあげるのが西田製糖工場です。

ここで作るのは、自社の畑を含む加計呂麻島の農家さんが1年~1年半ほど育てたさとうきびのみで作る純黒糖。
製糖方法はなんと400年の伝統をもつ老舗中の老舗。
早朝から1日中手間をかけて作られる黒糖は、雑味がなく深い味わいをしています。

島の空気が生み出した「きび酢」そして「原酢」

西田製糖工場の特徴は、きび酢の製造も行っているところにあります。
さとうきびの絞り汁を原料に造られるきび酢は、大島本島でほんの数軒しか製造されていません。
奄美の空気は、きび酢をつくるのに必要な酢酸菌と酵母菌をたっぷりと含んでいるため、きびの絞り汁を自然に発酵させることが可能なのです。
しかし、きび酢を作る施設内に菌を根付かせるのに3年という年月がかかるため、どこでもすぐに始められるというわけではありません。
また、発酵が始まってから商品化するまでにも3年の年月がかかるため、とても時間のかかる貴重品です。

現在販売されているきび酢の多くは酸度4.5%と濃縮されていますが、7~8%の酸度を保つ「原酢」の販売もここ数年のうちに開始しました。
これまでのきび酢施設の横に新たに原酢の製造施設を設立。
地方発送やお土産としては500㎖サイズしか取り扱いがありませんが、島内限定で一升瓶がお得に購入販売されているので、島を訪れた際にしか購入できないご当地中のご当地土産です。

黒糖作りの見学も可能

毎年、12~5月の間に行われる黒糖づくり。
工場は道路に面した場所にあるので、一声かけて製造の様子を見学させてもらうことも可能です。
きび酢の施設に関しては、基本的に年中見学が可能です。
しかし、菌のバランスがくずれるため納豆を食べた後はきび酢を製造している倉庫のなかに入ることはできないので、見学を希望する人は注意が必要です。

西田製糖工場のおすすめや魅力

工場直営カフェ「ギャラリーかどぐち」

製糖工場の向かいには、工場の娘さんがオーナーを務めるカフェ「ギャラリーかどぐち」が建っています。

店内に一歩足を踏み入れると、木の実で作ったオーナメントやマンゴーの種で作った人形など、オーナーさんが好きなものだけをセンスよく並べたギャラリーが。
またお店の外は、大きなガジュマルに吊るされた手作りのブランコがあり、お店の周りは遊び心をくすぐる仕掛けがいっぱいです。

メインが製糖のためいつも空いているわけではありませんが、ここではオーナーさんが作るランチをいただくことができます。
お野菜も、自家菜園で育てられた摘みたてをふんだんに使い、目にも鮮やかな料理がお皿に並びます。
なお、料理の仕込みの関係や製糖作業の関係で、前日までの電話確認・予約がおすすめです。

食事の後は、お店の外にある展望デッキから眼下に広がる佐知克ビーチを眺めてゆっくりとしたひとときを。
向かいには、同じ瀬戸内町の請島と与路島も見渡せます。

希少な黒糖「モチ糖」など商品をその場で購入出来る

工場とギャラリーかどぐちでは、黒糖や加工品を購入することが可能です。
アクとりの際に入れる石灰が足りずにもっちりとした仕上がりになる希少な黒糖「モチ糖」、きび酢を使った「きび酢ドレッシング」、奄美の名産すももをきび酢やはちみつで漬けた「蜜すもも」などを販売。
もちろん、原酢の販売も行っています。

宿泊も可能


製糖工場から歩いてすぐの場所にあるのが、宿泊施設「カケロマロマエ」。
製糖工場のある佐知克は島のほぼ中心に位置するので、ここでの宿泊は観光のしやすさからいってもとても便利です。
宿泊費の相場が8,000~10,000円前後の加計呂麻島ですが、素泊まり3,500円~という安さも魅力です。
食事つきの場合、ギャラリーかどぐちにてオーナーさんお手製の食事をいただくことができます。
1日1組限定の民宿なので、まるで加計呂麻島に住んでいるような気分が体験できます。

また、目の前のビーチに日が沈むので、フェリーの時間を気にせずに夕日を眺められるのは宿泊客だけの特権です。目の前のビーチには、完成したてのシャワーとトイレも完備されているので、海遊びも安心です。

奄美空港から西田製糖工場までの行き方

ステップ1 レンタカーかバスに乗って、まずは古仁屋市街地へ

奄美空港から加計呂麻島へ渡るには、まずは玄関口である瀬戸内町古仁屋を目指します。
空港から古仁屋市街地まで行くには、レンタカーかバスの2パターンがあります。
レンタカーで行く場合、空港を出て県道82号線を走り「赤尾木」交差点を左折して国道58号線へ。
そこから約1時間40分ほど国道を南下します。
古仁屋市街地に入ると左手に鹿児島銀行、右手に郵便局がある十字路に行き着くので、郵便局側に右折。
そこから1つ目と2つ目の間の道を左折し、突き当りまで進むと加計呂麻島のフェリー乗り場「せとうち海の駅」に到着します。

バスで行く場合は、空港からしまバスの「古仁屋行き せとうち海の駅」へ乗り、最終地点まで乗るだけ。
これまでは名瀬市街地で乗り換えが必要でしたが、嬉しいことに、2019年10月1日より奄美空港から古仁屋市街地への直行便運行が始まりました。

ステップ2.フェリーで加計呂麻島へ

古仁屋市街地から加計呂麻島へ行くには、フェリー以外に方法はありません。
船にはおおまかに3種類ありますが、観光で訪れる人のほとんどが利用するのが町営定期船「フェリーかけろま」です。
佐知克集落に行く場合は、2つある港のうち瀬相港を利用してください。
LCCが就航して以来、加計呂麻島へ渡る人の数もぐんと増えたため、レンタカーを乗せる場合は念のため往復ともに予約しておきましょう。

ステップ3.製糖工場まではレンタカーで

加計呂麻島の中心部にあるため、バスのルートだけを見れば瀬相港からでも生間港からでも行くことができる佐知克集落。
しかし、生間発ですと乗車時間がとても長く、瀬相発は乗車時間は短いものの、上下便ともに朝1便のみとなるため、あまり現実的ではありません。
できれば、瀬相港でレンタカーを借りるようにしましょう。フェリーかけろまに車を乗せて往復するよりも半額ほどの料金で利用することができます。
ただ、レンタカーの店舗が少なく台数にも限りがあるので、こちらも早めの予約が必須です。
なお、各港では電動自転車を借りることもできますが、アップダウンが激しい島なので、不安な方は利用を控えた方が無難かもしれません。

西田製糖工場の周辺おすすめスポット

実久ビーチ

加計呂麻島の北西部に位置する実久(さねく)集落。
NHKドラマ「島の先生」のロケ地ともなった場所ですが、ここの海の色は「実久ブルー」と呼ばれ、息を飲む碧さです。
海水浴場の道を奥まで通り過ぎて集落の突き当りまで来ると、堤防にたどり着きます。
堤防に座って実久ブルーを眺めるためだけに瀬相港からバスに乗って訪れると人もいるほどですが、ここに来るとその理由も納得です。

また、ここから出発する「青の洞窟」へのシュノーケルも人気のアクティビティ。
時間に余裕がある人は、ぜひ挑戦してみてください。
時間がない方も、途中の「夕日の丘」から見下ろす実久ブルーは見落とさないようにしてくださいね!

製糖工場のきび酢を使った「ゆき氷」!?

島の南側に、須子茂(すこも)という集落があります。
神様の通り道「カミミチ」があったり、古代の陶器などが発掘されたりと、民俗学的にも貴重な場所です。
ここにお店を構えるのが、ゆき氷とコーヒーのお店「tikiコーヒー」です。
女性オーナーさん自身がリノベーションした木の家はとても居心地がよく、温かな雰囲気をまとっています。
このお店の一押しは、かき氷のベースとなる牛乳などの液体を瞬間冷凍させて削る「ゆき氷」。

ふわっふわの食感で、口の中に入れた瞬間にやさしく溶けていきます。
手作りの練乳がかかった黒糖ミルクやドラゴンフルーツなど旬のフレーバーが登場します。
島でとれるフルーツに合わせるきび酢は西田製糖工場のものを使用し、黒糖も加計呂麻産のものを使用。
さらに、黒糖をたっぷり使ったまっくろチーズケーキはあまりの人気に島外発送も可能になりました。
瀬相港からバスで20分ほどで、運転手さんに伝えればお店の前で降ろしてくれるので、アクセスも便利です。

伊子茂マモルくん

佐知克からも近い場所に、伊子茂(いこも)という集落があります。
この集落にある堤防に、ひと際目を引く人影が。
制服を着てまっすぐと小学校を見守る「伊子茂マモル」くんです。
宮古島に数体存在する宮古マモルくんと似ていますが、雨にも台風にも屈することなく1人で加計呂麻島を守っています。
そのシュールさが人気で、マモルくんと写真を撮るために集落を訪れる人も多いスポットです。

まとめ

せっかく古仁屋まで来たのなら、ぜひ訪れていただきたい加計呂麻島。
大島本島とは違った時間が流れ、癒されながらもパワーを蓄えて帰ることができます。
西田製糖工場で、温かな家族とその周りに集う人たちが、400年の伝統を守る本物の味。
12~5月に加計呂麻島を訪れる際は、ぜひ製糖の様子をご覧ください。